エマルションや微粒子などのコロイド系はナノコンポジット,電池,導電性インク,粘着剤など様々な分野に用いられている.これらの性能は材料の選択やプロセスに依存するため,「ものづくり」の課題は複雑で多岐にわたる.特に,凝集構造は様々で,分散,混練,塗布,乾燥と全てのプロセスに関係し,流体力による分散や凝集は製品の性能を決定づける.どこまでが分かっていて,何が問題なのか,一緒に考えてみませんか?

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【主催】 一般社団法人プロダクト・イノベーション協会(PIA)

【協賛】 公益社団法人化学工学会, 化学工学会 粒子・流体プロセス部会

【日時】 2019年3月1日(金)10時~17時

【場所】 東京大学本郷キャンパス 工学部3号館1F 電気系セミナー室2・3

【講師】
PIA 代表理事/東京大学名誉教授     山口由岐夫氏
東北大学大学院工学研究科 准教授     久保 正樹氏
東京大学環境安全研究センター 特任助教  辰巳 怜氏
PIA 主任研究員             小池 修氏

【教材】 当日配布資料(プログラム

【費用】 45,000 円/人(消費税別);資料及び昼弁当・懇親会費を含みます.

【定員】 20名程度(申込〆切2月22日(金)ただし、定員になり次第締め切ります)

【プログラム】

10:00~11:00 (1)コロイド工学の学理と課題解決 山口 由岐夫

粒子分散系プロセスの難しさは,材料とプロセスの再帰的な関係と,強い非線形性を持った構造形成にある.流れや乾燥は相分離や相転移を誘起し,複雑な構造形成に至り,研究や製造現場の多くの課題はここに集中する.いくつかの主要な課題と解決方法について解説する.

11:00~12:00 (2)分散系のレオロジー 小池 修

流動場における非線形挙動を,① shear thinning に続くshear thickening,② 大小粒子系の粘度変化,③ 解砕に伴う粘度変化などを中心に解説する.

12:00~13:00 昼食
13:00~14:00 (3) 乾燥による構造形成と課題 辰巳 怜

乾燥場における非線形挙動を,① 乾燥特性を粒子特性から推算する方法,② 粒子凝集が乾燥特性に与える影響,③ 界面活性剤やバインダーの影響,④ skinningや大小粒子の偏析などを解説する.

14:00~14:30 (4) 界面活性剤と溶媒の分散効果 久保 正樹

実例を紹介しつつ,粒子分散の鍵となる界面活性剤・溶媒の主要な因子をいくつか指摘し,流動場も加わる際の分散効果も解説する.

14:30~15:00 (5) 分散の課題 小池 修

流動場の分散のよしあしは,粒子性状や粘度変化に大きく反映し,強度などの最終製品の機能にも現れる.分散効率や過分散などの課題について解説する.

15:00~15:15 休憩
15:15~15:45 (6) 塗布方式と塗布欠陥 山口 由岐夫

粒子系の塗布はミクロには表面あれ,分散・凝集を起こし,マクロにはスジムラやリビングなどの塗布欠陥を誘発する.Slot die coatingなどを例に,課題解決の方法を探る.

15:45~16:15 (7) 乾燥欠陥 辰巳 怜

粒子系の乾燥はバインダーや小粒子の偏析を起こし膜質の不均一性と欠陥を誘発する.乾燥中のマイクロクラック防止も重要な課題であり,解決方法についても解説する.

16:15~17:00 (8) Q & A

普段の業務で抱えておられる疑問も歓迎いたします.

懇親会

非平衡系セミナー「コロイド工学における学理と課題解決の方法」の申し込みは2019年2月22日(金)17時をもって終了いたしました。
たくさんの申し込みありがとうございました。